徹底討論会
成育歯科医療研究会特別大会
1.大会概要 | |
大会テーマ | 「多数歯先欠の対応のその後 ~保険導入から10年を経て~」 |
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日 時 | 2022年6月30日(木)10:00~15:00 |
配信会場 | 城山ホテル鹿児島 |
2.大会スケジュール | |
10:00 | 開会の挨拶 |
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10:05~10:50 | 講演Ⅰ(今村 基尊 先生) |
10:50~11:20 | 講演Ⅱ(川畑 正樹 先生) |
11:25~12:05 | 講演Ⅲ-1(前半)(嘉ノ海 龍三 先生) |
12:05~13:00 | 昼休憩 |
13:00~13:55 | 講演Ⅲ-2(後半)(嘉ノ海 龍三 先生) 「歯列矯正治療における多数歯先天性欠如の臨床」 |
14:00~15:00 | 3名の演者の先生方によるシンポジウム |
15:00 | 閉会の辞 |
3.参加申し込みについて(事前登録のみ) | |
参加要件 | 成育歯科医療研究会会員で、Zoomの使用環境が整っている方 |
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参加料 | 無 料 |
申込方法 | *2月開催予定時に登録済みの先生方は追加登録の必要はありません。 ① 参加者のお名前・所属
以上の項目につきまして、 |
お問い合わせ先 | [サポート事務局] 大会専用メールアドレス:Seiiku.sika@ltd-css.jp 〒891-0117 鹿児島市西谷山3丁目1番2号 株式会社CSS内 成育歯科医療研究会特別大会サポート事務局 |
講演Ⅰ「生物の進化からみた歯の先天欠如」
浅井小児歯科医院,藤田保健衛生大学
今村 基尊 先生
哺乳綱(類)は2生歯性であり、種によってその歯数が決まっている。その個体の歯数が、種固有の歯数より足りなかったり多かったりすれば、歯数異常となる。歯数異常には、種内変異(生物種内におけるばらつき)によるものと、疾患に由来するものがある。
哺乳綱真獣下綱(有胎盤)からヒトに至るまでの進化の過程で、どのように歯数が変化してきたかを提示する。このような課題は、乳歯・永久歯ではなく、第1生歯・第2生歯で考える必要がある。現在のヒトの歯数異常をどのように捉えるかについて、参考になれば幸いと考える。
講演Ⅱ「多数歯先欠(症例)に対する補綴治療での対応を考える」
かわばた歯科医院
川畑 正樹 先生
歯列内に先天性欠如歯や形態異常歯によるスペースが存在する場合、欠損補綴と同様に捉えて治療を行うが、そのマネージメントにはいつも苦慮している。先天性欠如歯に相当する部位での乳歯の保存は、患者にとってわかりやすく安心感を与えるものであるが、いつまで保存できるかといった指標を示すことなく経過観察となり、その歯の動揺や脱落、破損が生じた際に初めて治療着手となっている場合が多いようである。実際に補綴治療が行われて経過している先天性欠如歯の症例では、一口腔単位の診断に基づかず対処療法的な補綴装置の装着となっていて、清掃性や予知性に乏しいと感じることも少なくない。多数歯の欠如症例となると、代償性の歯の移動も大きく、咬合高径や上下顎間関係にも問題が起きていることが多く、その補綴治療の難易度はいっそう高くなる。そのため最終的な治療目標を共有した専門性の高い連携が必要となるであろう。実際、発育期からの管理が必要と理解されてはいるが、成長期に治療を担当する立場としては、永久歯萌出完了後の咬合状態や治療の目標設定が明確にならないため、治療に対する患者側の理解や心理的な背景も合わせて依然として曖昧模糊たる状況と思われる。成育歯科医療研究会において、16回、18回大会では少数歯、多数歯先天性欠如歯に関わる発表をさせていただいた。これまでの間、多数歯先欠の症例に携わることはなかったが、再度その発表を顧み、補綴治療での治療咬合を基に連携治療について考えてみたい。補綴治療を担当することの多い一般医としての立場から私見を述べ参加者の皆様と意見交換させていただきたいと考えている。
講演Ⅲ「歯列矯正治療における多数歯先天性欠如の臨床」
カノミ矯正歯科クリニック
嘉ノ海 龍三 先生
多数の先天性欠如歯(以下、先欠)を持つ患者さんの歯列矯正の臨床は、通常の症例よりも治療の難易度が高くなることは言うまでもありません。
大きくテーマとしてあげたいのは、
① インプラント植立:オギュメンテーション(骨再植)+GTRを少なくするには?
② 乳歯の保存:乳歯を保存するための処置とは?
③ Interdisciplinary Approach:患者生涯に関わるこの問題を他の分野の専門医と共有していくために必要なこととは?
④ 患者の家族も含めた心のケアとは?